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頂相画家 西村俊廣

露地を出ると焼芋屋がいた
路地を出ると焼芋屋がいた
H14年3月
  露地を出ると焼芋屋がいた
 何年か前に頂相を研究しているというアメリカ人留学生が私の所へ来た。
 恐る恐るアポをとる電話をしてきた彼を、露地の入口で、膝下をはさみで切った絵の具だらけのコール天ズボンに下駄履き、手をちぎれる程に振って迎えた。
 親しくなってから言われた。「もっと歳をとっていて、作務着を着て髭を生やし、門があり生垣で囲んでいる様な家に住んでいる人かと思っていた」
 ごめんね、貧相で。
 まあ焼芋でも食って頂戴。
  (パステル画)
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